傷口を消毒液で洗い、その後乾燥させていませんか。
これ実は間違った治療のやり方なんです。
消毒液を使ったらなぜだめなのか?
傷口を乾燥させたらなぜダメなのか?
グッドモーニング明快まとめるパネルで、練馬光ケ丘病院傷の治療センターの夏井医師監修のもと医学的に新しい治療法が紹介されました。
傷はどうやって治っていくのか?
傷を負うと、傷ついた細胞や周りの細胞が怪我をしたことを教えるために科学物質を出します。
その科学物質に気付いた救急隊のような細胞が傷を治すために集まってきます。
血液中の血小板が傷口を一時的にふさぎと線維芽細胞がやってきて傷口を修復、また一部の細胞が細胞分裂繰り返しながら急いで傷を負うまえの高さまで盛り上がり傷口をふさいでいきます。
そうやって傷口がふさがると修復した細胞たちは正常な形に戻っていきます。
このように私たちの身体は傷を治しているんです。
傷口は消毒液ではなく水で洗う
傷口は水で洗いましょう。
流水は傷口の菌を洗い落とし、周りの細胞をこわすことがありません。
幸い、日本の水道水はとてもきれいなので、なんの問題もありません。
消毒液はなぜ使ったらいけないのか?
消毒液を使うと確実に細菌を殺すことができます。
しかし細菌だけではなく傷口付近の自分の細胞までもいっしょに壊してしまうんです。
さらに、傷を治そうとあつまってきた細胞までも消毒液の強い殺菌力にやられてしまいます。
その結果、傷の治りが遅くなり、治っても傷痕が残ってしまうことになります。
水で洗浄した後は、傷口を乾燥させない!
傷を早く治そうと体から浸出液がでます。
乾燥させると浸出液の分泌がよわくなり結果、傷の治りが遅くなってしまいます。
浸出液がちゃんと分泌するように、乾燥を防ぐバンドエイドのキズパワーパッドなどの密閉型シートで傷口を塞ぎます。(薬局などで販売)
通気性があるものでは、傷口が乾燥してしまし、かさぶたができてしまいます。
完全防水とかの表示があるものを購入しましょう。
これを湿潤療法(モイストヒーリング)といいます。
湿潤療法(モイストヒーリング)とは?
湿潤療法では、傷口が乾燥しないように密閉し、体内からでる液体でジュクジュクの状態にして傷を治します。
ジュクジュクときいたら、なんだか膿なんかが溜まっている様子をイメージしませんか。
バイ菌がうようよいる状態を想像しますが、このジュクジュクは傷を早く治す液体で浸出液といいます。
この浸出液が傷口をなおしてくれているというわけです。
また、この治療法ならズキズキとした痛みがありません。
浸出液とは?
浸出液とは傷からにじみでるすこし黄色っぽい液体のことです。
一見、膿のようにも見えますが、傷を治す血小板や線維芽細胞、表皮細胞などがたくさん含まれています。
これらの細胞が傷の治り具合にあわせて順番にはたらくことで、傷がきれいに修復され傷跡が残らなくなります。
また、浸出液にふくまれる白血球やマクロファージが傷口からの細菌感染を予防します。
乾燥させる治療法はなぜ問題があるのか?
いままでの治療法はかさぶたで傷口をふさいで治すというやり方でした。
今、医学的にこのやり方は間違いといわれています。
かさぶたは傷を乾燥させないとできません。
かさぶたをつくるための乾燥なんです。
かさぶたは血小板や血小板がつくったタンパク質、乾燥の途中で死んでしまった細胞などが混ざったものです。
せっかく傷を治すために集まってきた細胞たちが干からびてしまったものです。
また、乾燥させるとズキズキとした痛みがあります。
なぜ、乾燥させたのか?
医療が進歩した現在とちがい、昔は完全防水の絆創膏などありませんでした。
このかさぶたはかなり硬いので傷口がひらかないように固定し、しっかり傷口をふさぐので細菌などがはいらないようガードする効果があります。
かさぶたは治癒に必要不可欠なものだったんです。
かさぶたが治りを遅くする
しかし、このかさぶたが傷の修復作業には邪魔になってくるんです。
硬いかさぶたを押し上げながら傷口を治していかなければならないので当然作業が遅れてしまいます。
傷の治りが遅くなってしまうということです。
それでも、そのままなおるまでかさぶたがあればまだいいんですが、傷が治っていない状態でかさぶたが取れたりしたら、そこから出血してあらたに傷を作ってしまいます。
そういうことを繰り返していると傷跡が残ってしまいます。
かざぶたは、はがしたくなる!
私は小さい頃、転んでひざに擦り傷をつくってました。
当然、乾燥させていたのでかさぶたができます。
このかさぶたを無性にはがしたくなるんです。
かさぶたができればはがし、またできればはがしを繰り返していました。
そのたびに傷口が痛がゆくなっていたのを覚えています。
膝頭に残る傷跡
私の膝頭には、転んだときにできた傷跡がたくさん残っています。
それを眺めていると、あの時湿潤法で治していたら今でもきれいなひざ頭だったんだろうなと思います。
せめて、かさぶたをはがしたりしなかったら……。
まとめ
傷口は消毒液ではなく流水で洗いましょう。
乾燥しないように密閉型シートを貼り、浸出液を充分に出すようにしましょう。
密閉型シートは薬局や通販で手に入れることができます。
わたしも以前、手のひらに摩擦が原因の3×3センチほどのやけどのような傷を負ったことがありました。
その時は、湿潤慮法など知らなかったのでそのうち治るだろうと放ったらかしにしていましたが、ある休日川遊びにいくことになり感染したらどうしようと思っていたら、友人から完全防水のシリコンのような絆創膏を勧められました。
BAND-AID(バンドエイド) キズパワーパッド 大きめサイズ 6枚 管理医療機器
早速手に入れ傷口に貼ると、シート内部が液で満たされ、少しシリコンが膨れてきました。
この状態を保っていればきれいになるからという友人の言葉を信じて、しばらく続けていると傷がすっかり治り、傷跡もまったく残りませんでした。
とくに女の子に膝頭などに擦り傷をつけた時には傷跡が残らない湿潤療法をおすすめします。