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発がん性物質(臭素酸)が含まれていた「富士山麓のきれいな水」にみるミネラルウォーターの裏事情

更新日:

20161029pokka

ポッカサッポロ&ビバレッジが販売しているペットボトル2ℓ入りのミネラルウォーター「富士山麓のきれいな水(ーチュラルミネラルウォーター鉱水)」に発ガン性物質の臭素酸が基準値の2倍の量が含まれていたとして約4万5千本の回収を発表しました。

ポッカサッポロ&ビバレッジが山梨県の「富士ピュア」という会社に製造委託していた商品で、2016年8月15日に製造した商品です。

併せて、同じ工場で同じ日に生産されていた「富士山の清らかな水」も回収の対象となっています。
食品衛生法に定められた臭素酸の基準値は0,01mg/ℓ以下に対し、0,02mg/ℓが検出されたことが原因です。

この発ガン性物質の臭素酸は採水したミネラルウォーター等の消毒を行うときに、副生成物として発生します。

つまり、殺菌消毒の工程の中で発生したということですね。

天然水に含まれている臭素イオンが、殺菌処理過程で酸化されてできる消毒副生成物です。

動物実験において発ガン性があると言われています。

ポッカサッポロ&ビバレッジは、発ガン性物質の臭素酸は体重50㎏の人が毎日27、5ℓの水を飲まなければ発ガン性には大きな影響はないとしています。

とはいえ、基準値の2倍の量が検出されたことは問題と言っていいでしょう。

発がん性物質が生成するような殺菌消毒が何故必要なのか

なぜ地下の天然水をわざわざ殺菌しなければいけないのか。

ひょっとして、殺菌しなければ飲むことができないような水を採水しているのか。

ミネラルウォーターの歴史が長いヨーロッパと日本を比べてみると、ミネラルウォーターの基準に大きな違いがありました。

日本とヨーロッパの違いは?

日本のミネラルウォーターは人為的に手を加える(殺菌処理、加熱処理)

ヨーロッパのミネラルウォーターは人為的に全く手を加えない。

日本は原水を加熱殺菌、または非加熱殺菌(紫外線等)などで殺菌することが前提となっています。

それに対して、ヨーロッパでは採水したそのままの水を容器に詰めること、殺菌処理は一切行わないことが原則となっています。

この違いだけを見ると、日本のほうが加熱殺菌等をするので、より安全なのではないかとおもってしましますが、はたしてそうなのか。

じつはどこから採水するのかの基準が日本とヨーロッパでは全く違うんです。

 

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日本の採水地の基準は?

日本のミネラルウォーターは採水地の基準が厳密には決められていません。

一応、1986年の厚生省通達に注記として、「原水の汚染を防止するため。泉源地、採水地点の環境保全を含め衛生確保に十分配慮されなければならない」併記されているものの、漠然とした内容のまま、より具体的な基準は示されていません。

日本の場合、加熱殺菌などの処理を前提とし、もともとの地下水がどういう環境の場所から採水されなければいけないかの明確な基準がないんです。

そのため、住宅地の中や、田畑の近く、ゴルフ場や牧場などが近くにある土地を掘って、地下水を採水することはいけないことではない。

加熱処理するから日本のミネラルウォーターの方がヨーロッパのものよりより安全だという意見もあります。

しかし、採水地の基準があいまいだということは、見方を変えれば日本のミネラルウォーターは殺菌処理をしなければ飲めない水がミネラルウォーターに利用されている可能性があるとも言える。

勘ぐれば、地下水ならどの場所から採水されようが、殺菌処理してミネラルを後から加えればミネラルウォーターとして販売できるということになります。

今回の水にしてもにしても、富士山のどこから採水したんだという疑問が起こりますね。

富士山麓のきれいな水や富士山の清らかな水にしても、富士山のどの辺りで採水したんですかということです。

 

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ヨーロッパの採水地の基準は?

ヨーロッパはこの水源の周辺環境の保全が徹底されているフランスでは、源泉地域だけでなく、その周辺地域も環境保護区に指定され、地下水の人為的な汚染を防止しています。

ヨーロッパは明確にその指針があり、採水する場所の近くに工場やゴルフ場、農地、牧場などを新たにつくることが禁じられているようです。

天然のミネラル豊富な水に人が手を加えることで、その水が持つ効能などが変わってしまったり、失われたりするという認識があるようです。

ヨーロッパでは本来ミネラルウォーターとは治療効果を有するものとして飲まれていました。

単なる飲料用ではなく、飲み薬のような扱いだったんです。

だから、加熱殺菌などの加工をしないだけではなく、空気にもふれさせないようにしてボトリングしています。

これには、その国や地域、 土地の性質や特性がありますから、はたして、日本の狭い国土にそのまま飲んでも問題がない天然水が豊富に採水できるところがどれだけあるのかは疑問です。

日本が、国産のミネラルウォーターを販売する上では、殺菌消毒は必要なことなのかもしれませんね。

ところで、ミネラルウォーターには、種類があるのを知っていましたか。

ひとくくりに、ペットボトルで店頭に並んでいる水をミネラルウォーターといっていますが、名前や製造過程が違うものがあるんですよ。

 

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 日本のミネラルウォーターの分類

ナチュラルウォーター

加熱やろ過だどの殺菌を行っただけの地下水
特定の水源から採水した地下水をろ過、沈殿および加熱殺菌したもの

ナチュラルミネラルウォーター

ナチュラルミネラルウォーターの内、自然のミネラルが溶け込んでいる水。
鉱水、鉱泉水、天然のCO2が溶けて発泡性のある地下水がこれに分類されます。
ろ過、沈殿および加熱処理した水に限ります。

今回、基準値を超える発ガン性物質の臭素酸が見つかった商品の1つ「富士山麓のきれいな水」はこれにあたります。

ミネラルウォーター

複数の水を混ぜ合わせたり、ミネラルを人が加えたもの。
ろ過、沈殿および加熱殺菌以外に、オゾン殺菌や紫外線殺菌も含まれます。

ボトルドウォーター

地下水以外の地表水や水道水を使ったもの(純水、蒸留水、河川の水等)
処理方法に限定なし。

 

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ヨーロッパのミネラルウォーターの分類

ナチュラルミネラルウォーター

水源があらゆる汚染環境から離れた場所にあり、その環境がまもられている地下水であること
飲むことによる身体によい効果があることが科学的、医学的に証明されていること。

水に含まれている成分や水質が安定していること。

人の身体によいとされるミネラルが一定量、含まれていること。

地下の水源から直接、空気に触れないように採水され、添加物を一切加えずにボトリングしたもの
殺菌処理を行わず、ミネラル分の添加や調整など人が後から手を加えないもの。

スプリングウォーター

1ヶ所の地下水源から採られ、無添加のもの

プロセスドウォーター

熱処理やろ過、ミネラルの添加などの加工をしたもの。
こうやって比べてみれば、日本とヨーロッパでは、ミネラルウォーターのどこに基準を置いているのかに歴然とした違いがあるのがよくわかります。

 

気になる記事を見つけました

今回の回収ニュースを見て、いくつかのサイトを調べましたところ、「富士山麓のきれいな水」は、ポッカサッポロ&ビバレッジのホームページに製品の詳細な情報が明記されていましたが、もう1つの「富士山の清らかな水」は商品の詳細な情報をみつけることができませんでした。

調べている過程で、興味深いブログを見つけました。

一度、のぞいて見てください
2011年の1月30日に投稿された記事です。

ブログ名 NAFLOG

「富士山の清らかな水」の謎

 

まとめ

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お店で販売されているものは、全て同じような水だと思い、製造販売会社の知名度や価格、商品のネーミングなどで買っている人が大半ではないでしょうか。

しかし、一括りにミネラルウォーターといっても、様々な種類のものがあるということを理解して、選ぶようにしましょう。

ミネラルウォーターといいながら、水の成分は水道水とほとんど変わらないという商品が販売されている可能性もあります。

とはいっても、水道水を飲むのは水道管や貯水槽の汚染の可能性を考えると抵抗があると思っている人も多いでしょう。

輸入品の水を飲むか、国内のものを飲むか。

市販のミネラルウォーターを飲用するのもいいですが、浄水器を取り付けて家の水道水を飲むという選択肢もあります。

水は何を飲むか、一度、じっくりと考えてみるのも大切なことかもしれませんね。
参考文献
世界的なミネラルウォーター 市場の拡大と その国際規格化 (PDF)  福澤尚子

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