バイオフィルムが関係
アメリカケンタッキー州のルイビル大学歯学部のデービッド・A・スコット博士ら研究者たちが、たばこの煙に含まれる化学物質が免疫機構を壊して 強固なバイオフィルムを形成することを示唆する研究を発表しました。
たばこを吸うことにより、バイオフィルムが吸わない人よりも出来やすいということは数年前にわかっていました。
歯の表面のみならず、心臓弁膜、気道にもバイオフィルムは形成され、このバイオフィルムがさまざまな病気を引き起こす原因と考えられています。
たばことバイオフィルムの相乗効果
たばこを吸い続けると、病気になるリスクが高まるということですね。
ちなみに、米国疾病管理予防センターによれば、ケンタッキー州は全米で2番目にたばこを吸う人が多いということです。高校生に約24%がたばこを吸っているということですよ。
はたして今回の発表が多くのたばこを吸う人にとって、たばこをやめるきっかけになるかどうかはわかりませんが……。
たばこはやめようと思っただけでやめることができるものではありません。
たばこを吸う人は、吸い続ければ将来肺ガンになるだろうなと思っていても、吸ってしまうんですよね。
肺ガンになったら嫌だなと不安を抱えながらも、決して吸うのをやめようとはしない。
何故でしょう。
たばこは、簡単にやめることができるものではないんです。
国や大学の研究機関がするべきことは、現在吸っている人にたばこをやめさせようとすることではなく、最初の1本を吸わせない、吸いたいと思わせない社会環境作りが大事なことだと思います。
参考文献 日本歯科新聞2016年6月21日(火曜日)第1930号