大豆は別名「畑の肉」と言われるように牛肉に負けないくらい豊富なたんぱく質が含まれています。
さらにカロリーは牛肉と比べて圧倒的に低い。
大豆(茹で)100g当たり
たんぱく質14、8mg
カロリー 1767cal
牛肩ロース100g当たり
たんぱく質 13、8mg
カロリー 411cal
明らかに高たんぱく低カロリーの食べ物といえます。
さらにたんぱく質の消化吸収を助けるアミノ酸の量がスコアの最大値を1とすると、
大豆1、0
牛肉0、92
小麦粉0、4
大豆はたんぱく質の吸収率が非常に高い食材です。
このようにカロリー控えめでたんぱく質をたくさんとれる大豆はダイエットに最適な食べ物ですが、大豆の健康パワーはそれだけではありません。
メタボ
便秘
不眠
肌荒れ
貧血
認知症
これらの症状にも優れた効果を発揮するのが大豆です。
お茶の水健康長寿クリニック院長の白澤先生が教える、お悩み別オススメ大豆食品を紹介します。
貧血におすすめは豆乳
豆乳は特に女性におすすめです。
その理由は鉄分です。
豆乳には女性に不足しがちな鉄分が豊富に含まれています。
鉄分の含有量は牛乳の60倍にもなります。
さらに注目すべき成分がイソフラボン
イソフラボンは骨密度の減少を抑え、骨粗しょう症を予防する働きがあります。
イソフラボンを多く摂取した人は少ない人よりも乳がんの発症リスクは半減するという研究もあります。(資料、国立がん研究センター多目的コホート研究)
とはいえ、イソフラボンはセッシィした6時間後には体内から減少し始め、あまり長くは留まってくれません。
そこでおすすめなのが豆乳です。
豆乳でイソフラボンをこまめに補給すればイソフラボンの減少を防ぐことができます。
コーヒーやココアに混ぜるミルクは豆乳がおすすめです。
メタボ、不眠におすすめは味噌
味噌には血糖値の上昇を抑える働きがあります。
その秘密は発酵の過程でつくられる褐色成分メラノイジン。
このメラノイジンは食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。
味噌には赤味噌と白味噌がありますが、実はそれぞれに適した食べる時間があるのを知っていましたか。
赤味噌は朝食
赤味噌は朝食がベスト。
赤味噌に豊富に含まれているイソフラボンは基礎代謝を活発にします。
そのため、朝食に摂ることで身体のエンジンが回りだすというわけです。
白味噌は夕食
白味噌は夕食がベストタイミングです。
白味噌には脳の興奮を抑えるGABAという成分が豊富に含まれています。
鎮静作用があるので、寝つきを良くする効果が期待できます。
血液サラサラには納豆
納豆といえば、有名なのがナットウキナーゼ
ナットウキナーゼは血中にできた血栓を溶かし、血液をサラサラにしてくれるありがたい成分です。
つまり、納豆を食べれば脳梗塞や心筋梗塞の予防につながるというわけです。
そんな納豆の優れた成分は、大粒、小粒、ひきわりのうちのどれがより多くとれると思いますか。
答えはひきわり納豆です。
ひきわり納豆は大豆を割っているの納豆菌がつきやすいというのが一つ。
さらに、大豆の表面積が大きくなるため納豆菌による分解が進みやすく、生まれる成分の多くなります。
美肌には大豆もやし
大豆もやしは発芽すると美肌効果に欠かせないビタミンCが生成されます。
また他のもやしにはないイソフラボンも含まれており、これを摂取することで肌の弾力がアップ、しわが改善したという研究データも発表されています。
便秘解消にはおから
おからには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
これが便のかさを増やし、腸の運動をうながしてくれます。
しかし、おからはパサパサしてちょっと食べにくいと敬遠する人も多い食材です。
そんなおからを美味しく食べる豆腐屋さんはおしえるおから料理のレシピがあります。
簡単おからサラダ
材料(2人分)
電子レンジで水分をとばした生おから100g
プレーンヨーグルト大さじ4杯
マヨネーズ大さじ2杯
塩 適量
胡椒 適量
作り方
これらすべてを、きゅうりや人参、ハムなどお好みの具材と混ぜるだけで簡単おからサラダが出来上がりです。
ヨーグルトやマヨネーズと混ぜることでおからの食感がしっとりとなるので食べやすくなります。
肝臓にやさしいテンペ
テンペとはインドネシア発祥の大豆食品です。
茹でた大豆に肺ぴすかすなどに張り付くテンペ筋を発酵させた、インドネシアの納豆のようなものです。
日本の納豆のような強い匂いがなく、肉や魚のかわりにして素揚げ野菜ソース炒めや甘辛炒めなどの炒め物にして食べます。
テンペは酒の肴に最適
テンペには発酵の過程でナイヤシンという成分をたくさんつくります。
このナイヤシンはアルコールの代謝に重要な成分なので、テンペを肴にお酒を飲むと、肝臓への負担を軽くする効果があります。
近年、国内の大手スーパーでも取り扱っているところが増えていますから、興味があったら手に入れてみてください。
メタボや認知症の予防には豆腐
大豆のたんぱく質には中性脂肪やコレステロールを低下させる働きがあります。
豆腐はその優れた働きをあるたんぱく質を凝縮したものです。
また豆腐に含まれるサポニンという成分が余分な脂肪がたまるのを防ぐので肥満予防に最適な食べ物なんです。
サポニンは水溶け出す性質があるので、湯豆腐や水たきなど煮込み料理で豆腐を楽しむときは煮汁も一緒に食べるようにしましょう。
豆腐は食事をヘルシーにする
例えばハンバーグや鶏団子。
これらの具材の3分の1を絹ごし豆腐にするだけでカロリーを約20%オフ、脂質を約25%もカットすることができます。
味のほうも、食べる前に豆腐を入れていることを教えなければ、入っていることに気付かれることはまずありませんので、味や食感を損なうことなくヘルシーにすることができます。
そんな豆腐をつかった脳を活性するレシピを紹介します。
脳を活性、イキイキ育脳レシピ
豆腐で脳を活性化
認知症予防につながる簡単レシピを紹介します。
何故、豆腐料理が認知症予防になるのか。
そのカギは豆腐に含まれるレシチンという成分にあります。
レシチンとは?
人間の脳内には無数の神経細胞が張り巡らされています。
そこを行き来する神経伝達物資の材料となるのがレシチンです。
豆腐をはじめ大豆食品にはこのレシチンが豊富に含まれているんです。
頭の回転スピードをあげるレシピ
豆腐とほうれん草のグラタン
材料(2人分)
・豆腐(絹ごし木綿はお好みで)150g
・ほうれん草(茹で)30g
・ホワイトソース 150g
・ピザ用チーズ 30g
・ベーコン 20g
ポイントはこれらに豊富なカルシウムです。
じつはレシチンはレシチンだけでは神経伝達をスムーズにおこなうことができないんです。
そこでその手助けをするのがカルシウムです。
作り方
・まず食べやすい大きさに切った豆腐を耐熱皿にいれる
・豆腐の上や周りにほうれん草やベーコンなどお好みの具材を載せる
・さらにホワイトソースとピザ用チーズをのせ、オーブンなどで焦げ目がつく
まで焼く
これで、頭の寒天スピードアップの豆腐とほうれん草のグラタンの出来上がりです。
脳の老化を防ぐ育脳レシピ
脳の神経伝達細胞は加齢ともに減少します。
それが重度になると認知症になります。
それを食い止めるのがサバ缶。
サバなどの青魚に含まれるDHA EPAは加齢で減少した脳の神経細胞を再び増やし、それぞれをつなげる働きがあります。
サバ缶は手軽にこのDHA EPAを摂ることができる優れもの。
そんなサバ缶を使った料理が豆腐とサバのアヒージョです。
豆腐のサバのアヒージョ
材料(2人分)
・豆腐(絹ごし木綿はお好みで)100g
・サバの水煮冠 1缶
・オリーブオイル適量
・すりおろしニンニク 小さじ1杯
作り方
直火可能な耐熱容器に全てをいれ火にかけるだけ。
たったこれだけでいつまでも脳を若々しく保てるアヒージョの完成。
パンなどにつけて食べれば、手が止まらなくなることは間違いなしです。
まとめ
貧血には豆乳。
メタボ、不眠にはお味噌。
生活習慣病には納豆。
美肌には大豆もやし。
便秘にはおから。
アルコールの肝臓への負担を軽くするテンペ
脳を活性化する豆腐。
そんな大豆の効果をより高める食べ合わせに最適な食材が米。
何故、米かといえばそもそもたんぱく質は20種類のアミノ酸で構成され、そのバランスは食品ごとに異なります。
大豆のたんぱく質はそのバランスがも優れていますが、しいていえばメチオニンというアミノ酸がやや少ない。
ところが逆に米にはメチニオンが多く含まれているので、大豆の不足分を米で補えるということです。
味噌汁、納豆、豆腐などの大豆食品は昔から日本人が食べていた食品です。
テンペ以外はスーパーなどで手軽に手に入れることが出来るものばかり。
毎日の食事に取り入れて、高たんぱくで低カロリーの上にイソフラボンやナットウキナーゼ、鉄分、レシチン、ナイヤシンなど多くの優れた栄養を含む大豆をいただきてはどうでしょう。