お酒が弱い女性は、年を取ると骨が折れやすくなる
予防にビタミンEを多く含むアーモンドや西洋カボチャが食べましょう。
先日、タレントの研ナオコさん(63)が俳優の梅沢富美男さん(66)が座長を務める舞台「アッ! とおどろく夢芝居」の公演中、畳の上で足を滑らせ転倒し右大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)を骨折しました。
畳に上で転んで骨折なんて、女性には気になるニュースです。
もともと、女性は閉経後に骨粗しょう症になりやすいと言われていますが、加えて新しいことがわかってきました。
それは、お酒が弱い女性は、年を取ると骨が折れやすくなるということです。
慶応大学の研究チームが3月27日付けのイギリスの科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表しました。
その内容とは、アルコールの分解にかかわる遺伝子の働きが弱い女性は、骨がもろくなるおそれがあるという調査結果。
調査内容は、中高年の女性で大腿骨を骨折した92人と骨折していない48人の遺伝子の比較調査。
結果は、遺伝子の働きが弱い人の骨折リスクは、2、3倍高いというものです。
ところが、ビタミンEに骨折のリスクを抑える働きがあることがわかってきました
何故、お酒に弱いと骨がもろくなるのか?
何故、ビタミンEに骨がもろくなるのを防ぐ働きがあるのでしょうか?
お酒に強い弱いを決めるものは?
ちなみに、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなるのは、このアセトアルデヒド脱水素酵素ALDHが生まれつき少ないからです。
アセトアルデヒドが分解されずに、血液の中にどんどん入ることで血管が拡張し、顔が赤くなるんです。
慢性的に肝障害を引き起こすともいわれているので、すぐに顔が赤くなったり、具合が悪くなる人は、お酒の量をコントロールしましょう。
アセトアルデヒドとは?
アセトアルデヒドは血液中にアルコールが、肝臓のアルコール脱水素酵素(ADH)によって分解されて出来るものです。
吐き気などの原因となる物質で、悪酔いや二日酔いの犯人とされています。
アルコールよりも有害な物質といわれています。
通常、アセトアルデヒドはさらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)により分解され、最後は炭酸ガスと水になってしまいます。
ビタミンEの働き?
慶応大学医学部の宮本特任准教授らはこのアルコールやアセトアルデヒドを分解する酵素をつくる遺伝子に注目しました。
中高年の女性で大腿骨を骨折した人としていない人を対象に調査したら、この遺伝子の働きが弱い人が骨折するリスクは2、3倍高かったんです。
そこで、マウスを使って実験。
骨をつくる細胞にアセトアルデヒドを加えてみると、細胞の働きが弱くなることがわかりました。
つまり、酒に弱い人が普段から飲みすぎる生活をしていると、アセトアルデヒドの影響で骨がもろくなる可能性があるということです。
ところが、ビタミンEを摂ると、アセトアルデヒドを分解する酵素をつくる遺伝子の働きが回復することもわかってきました。
どれくらい摂ればいいのか
成人男子で6.5mgで成人女子は6.0mgが推奨されている目安量です。
吸収量はコントロールされるので、摂りすぎるという心配はありません。
上限量は定められていますが、その量は成人男性800㎎、成人女性650㎎と非常に高いものです。
通常の食事でこれだけの量を摂る心配はありません。
酒の肴におすすめは?
アーモンド(フライ)がおすすめです。
100g中に29、4mg含まれています。
10粒食べれば4、1mgのビタミンEを摂ることができます。
ヘーゼルナッツなら10粒で2、9mgぐらいでしょうか。
調理したもので酒を楽しみたいなら、西洋カボチャやとうがらしを使った1品がおすすめです。
意外とマヨネーズもビタミEが多く含まれています。
まとめ
お酒に強くなりたいと思っても、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)を増やすことはできません。
お酒は弱いけど大好きという女性は、骨折しやすいということを自覚して、普段からビタミンEを意識して摂るようにしましょう。