人とおしゃべりをしているときに、相手がすこし顔をそむけるような仕草をしたら、もしかして口が臭いのでは?と気になったりしませんか。
周りの人は面と向かって息が臭いですよなんて、よほど親しい間柄でない限り言わないものです。
すごく失礼なことを相手に言うようで、逆に嫌われないかと考えてしまいますから。
こちらから正直に教えて欲しいとお願いすれば、まあ答えてくれるかもしれませんが、逆に口臭に関しては,「私って息が臭い?」と人に聞くこともすごい勇気がいりますよね。
夫や妻にだってなかなか聞けるものじゃない。
正直に「臭いよ」と指摘されると、しばらくは立ち直れないくらいの精神的ダメージを受けます。
朝,自宅で出勤前などにいきなり妻や夫に言われようものなら,その日は職場で口の臭いが気になって仕事どころではなくなるでしょう。
普段から口臭を消すタブレットや消臭スプレーなどを常にポケットや鞄に忍ばせている人も多いのではないでしょうか。
そんな口臭を気にしている人にお勧めすしたいのが緑茶です。
緑茶といえば日本人にはとても馴染みのある飲み物ですが、この緑茶が歯周病菌が原因の口臭を抑える働きがあることがわかってきました。
口臭に効くのは緑茶に豊富に含まれているカテキンです。
カテキンと聞けば、脂肪燃焼効果など体脂肪を減らす働きがあることで知られていますが、口臭にも効果があるんです。
そんなカテキンの働きと、もっとも効果的な緑茶の使い方を説明します。
なぜ、緑茶のカテキンには口臭を消す効果があるのか?
口が臭うもっとも大きな要因は歯周病です。
歯周病菌は硫化水素というものを発生します。
硫化水素とは、火山ガスや鉱泉中に含まれる成分で、卵の腐ったような臭いが特徴です。
いわゆる温泉場に行くと鼻につく硫黄の臭いがこれにあたります。
あれに近い臭いが口の中に発生しているということです。
歯周病菌の数が増えれば増えるほど、臭いが強くなります。
つまり、口臭を抑えるために重要なことは、臭いの元である歯周病菌の数を増やさないことです。
緑茶に含まれるカテキンには、歯周病菌の繁殖を抑える働きがあります。
緑茶は口内環境を整える優れもの
カテキンのよいところは、歯周病菌などの悪玉菌の繁殖はおさえるけれど、善玉菌にはなんら影響を及ぼさないこと。
つまり緑茶を飲めば口臭が治るだけでなく、口内環境そのものが良くなるということです。
近頃はあまり見かけることがなくなりましたが、以前はおじさんたちが食事の後などにお茶を口に含んでクチュクチュしてる光景をよく見かけていました。
見た目にはあまり行儀のいいものではないでしょうが、お口の環境にはとてもいいことだったんです。
大手メーカーもカテキンの効果に注目
その効果に目をつけた大手メーカーが緑茶成分配合の口臭予防消臭の様々な新商品を生み出し、それらがドラッグストアやコンビニなどで売られています。
通販でも、緑茶カテキンと乳酸菌を合体させたタブレットなどが結構な値段で販売されているようです。
それだけ、カテキンの効果は研究実験で確かなものと証明されているのでしょう。
実はそれらの商品以外に、100%天然素材で作られた身体にやさしく、栄養豊富でカテキンをたっぷり含んだ優れものがあります。
それは緑茶粉末です。
緑茶粉末とは生成した茶葉を丸ごと粉にしたもので、お茶に含まれる栄養をまるごと取ることができます。
その緑茶の粉末を使った口臭予防の秘策があるんです。
緑茶粉末はカテキンの効果を最大限に発揮する優れもの!
その秘策は、以前NHKのためしてガッテンという番組で紹介されました。
その名も緑茶うがいというものです。
そのやり方は、まず100ミリリットルの水かぬるま湯に対してスプーン山盛り1杯の緑茶粉末を加えてよくかき混ぜます。
見た目は抹茶か青汁。
それで口をゆすぎます。
その際に、歯と歯の間や歯と歯茎の間にも緑茶粉末がしっかり行き渡るようにしてください。
クチュクチュしたあとは、ペッと吐き出してもかまいません。
でも、せっかくの緑茶粉末です。
緑茶粉末には、カテキンだけでなくポリフェノールやビタミンCやビタミンB2,ビタミンE、葉酸、βカロテンなどの豊富なビタミン類の他にもマンガン、銅、亜鉛などのミネラルやサポニンなど身体にとっても有効な成分がたくさん含まれています。
これらの栄養を吐き出して排水口に流してしまうのは、あまりにも勿体ない。
ゴクンと飲んでしまいましょう。
口の中の緑茶はそのままに
ここで注意していただきたいのは、緑茶粉末でクチュクチュした後に水などでゆすいで洗い流さないこと!。
これだけは絶対にやめてください。
緑茶粉末でゆすいだら、そのまま寝ちゃいましょう。
そうやって、一晩中、口の中にカテキンをとどめておくことで悪玉菌は減少、善玉菌は元気いっぱいの理想的な口内環境が整い、歯周病が原因の口臭も抑えられます。
ためしてガッテンで行われた実験
可愛い孫が自分の側に来ないのは口が臭いからだ、と悩んでいた70代の男性の悩みに応え、ある実験がおこなわれました。
緑茶うがいで口臭は軽減されるのかという実験です。
実験内容は、100㎖の水に大さじ一杯の緑茶粉末を溶かし、寝る前にそれで口をゆすぎ、そのまま寝るというものです。
それを1週間続けます。
1週間後、おじいさんと孫娘が横並びに座り、実験結果の検証開始。
おじいさんが孫娘に一言「じゃあ、いい?」
孫娘「うん」
おじいさんは孫娘に顔を近づけて「は〜〜」と息を吐きかけました。
お互いの鼻の先がくっつくくらい近くから勢いよく。
う〜、怖い。
テレビの画面越しに見ていながら、思わず私の方が顔をそむけそうになりました。
しかし、この孫娘がまたいじらしい。
イヤは表情など見せずに、しっかりとおじいさんを息を正面から受け止めていました。
おじいさんが息を吐き終わったしばらく後、笑顔で一言、「臭くな〜い」
おじいさんもにっこりの実験結果でした。
歯に緑茶の色が着いたりしないの?
寝ている間に、歯に緑茶の色がつかないかと気になるかもしれません。
寝ている間、ずっと歯の表面に緑茶が付いている状態だから、そんな不安を抱くのは当然です。
でも、心配いりません。
緑茶の色が歯に付着することはないので安心してください。
むしろ、緑茶にはフッ素が含まれていますから、虫歯予防の効果が期待できます。
寝る前の緑茶うがいには、快眠の効果が
緑茶に含まれるアミノ酸の1つ、テアニンにはリラックス作用があり睡眠改善効果が期待できます。
テアニンを取り入れた30分以降にα波が多く出現することが実験で分かってきています。
α波状態の脳はリラックスして休んでいる状態です。
つまり緑茶うがいをしてベッドに入れば、ぐっすりと眠ることができるというわけです。
まとめ
いかがでしたか。
口臭予防解消の1つの手段として、緑茶うがいを紹介しました。
興味を持たれたら、試してみてください。
1週間ほど続けてみることをお勧めします。
緑茶うがいをする前に歯磨きを済ませておけば、ゆすいだ後の緑茶を飲むことにも抵抗はなくなるでしょう。
飲めば、緑茶に含まれた栄養もとれるし、テアニンのリラックス効果によって熟睡することもできます。
朝はすっきりと目覚め、口臭もさっぱりと消えてしまいます。
ただし、この緑茶うがいはあくまでも一時的な対処法です。
これをやったからといって、ずっと口臭が消えるわけではありません。
歯周病の症状を根本的に改善しない限りは、口臭の悩みから解放されることはありません。
もし口臭がひどく気になるようでしたら、一度歯科医院で検査することをお勧めします。
あなたの口臭の原因が歯周病によるものなら、しっかりと治療することが最優先です。
定期的に歯科医院で歯科衛生士さんによる徹底的なクリーニングをしてもらいましょう。
歯周病の症状が改善されれば、自然に口臭も治まっていきますから。