2017年、体内時計を制御する分子メカニズムの発見でジェフリー・ホール氏、マイケル・ロスバッシュ氏、マイケル・ヤング氏がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
今、体内時計が世界的に注目されています。
体内時計は朝起き、夜は寝るという単純な生活リズムだけではなく、病気を発症するタイミングなどにも関係しています。
体内時計を利用し、病気にあわせてそれぞれの薬をどうやって飲み分けるかという時間治療の研究が日本でもおこなわれています。
九州大学大学院薬学研究院長大渡教授監修のもと、グッドモーニング明快まとめるパネルで放送された内容を紹介します。
この記事に書かれていること
体内時計とは?
身体の中に時計があると考え、1日周期で身体の中で動いています。
昼は身体と心が活動状態。
夜は休息状態。
この体内時計と病気には関係性があり、体内時計によって体温、血圧、免疫、代謝が変化します。
病気が発症する時間帯は?
気管支喘息 午前3時頃。
関節リュウマチ 午前6時頃。
脳梗塞、心筋梗塞 午前9時頃。
高血圧症 午後15時頃。
じん麻疹 午後19時頃。
皮膚過敏 午後21時頃。
これを踏まえて、悪化の時間にあわせて薬を飲むことでより効き目をアップさせるのが時間治療です。
時間治療における症状別の薬の飲み方
心筋梗塞、脳梗塞の場合。
心筋梗塞や脳梗塞の原因は動脈硬化です。
動脈硬化の原因は悪玉コレステロールが増え、血液がドロドロになり血栓などができて血管が詰まること。
では悪玉コレステロールを増やさないで減らすためにはいつ薬を飲むのが最も効果的か。
悪玉コレステロールが増える時間帯は午後18時ごろから翌日早朝にかけてです。
そのため、朝方に血圧が上昇、朝6時頃、起きる前に心筋梗塞、脳梗塞を発症します。
そこから逆算すると、悪玉コレステロールを増やさないためには夕方16時から17時頃に薬を飲むと、丁度よい時間帯に悪玉コレステロールを減らすことができます。
60人を対象にしたコレステロール投薬研究
夕方に薬を飲んでいる人にあえて朝方飲んでもらうと、悪玉コレステロールの値が10%上昇したという研究結果がでています。
正しい時間に薬を飲む効果が実証されたといえます。
さまざまな痛みに時間治療が有効
痛みには関節リューマチ、神経痛、胃痛、怪我の痛みなどさまざまな痛みがあります。
夜から朝にかけて痛みが強くなる傾向があります。
なぜ、夜から朝にかけて痛みが強くなるのでしょう。
痛みの原因はホルモン?
夜から朝にかけて体内リズムを刻むホルモンが活性化します。
活性化したホルモンが傷ついた神経を刺激するので痛みがつよくなってしまうということです。
よって痛み止めの薬は最も痛みがつよくなる時間帯に効くよう寝る前に飲むと痛みを軽くすることができます。
体内時計は常に正確なのか?
このように、体内時計を利用して最適なタイミングで薬を服用すればより効果的に効きますが、そのためには体内時計が規則正しいリズムを刻んでいることが大前提になります。
しかし、この体内時計が生活習慣や加齢によりずれてしまっている人が多くいます。
不規則な生活をしている人は、体内時計が正しく動いているのか医師に相談してください。
自分の体内時計を知った上で薬を飲む時間を決めることが大切です。
ずれてしまった体内時計を元にもどす方法がある!
ずれてしまった体内時計が正常にもどることはないのでしょうか。
いいえ、正常にもどす方法があります。
しかも、意外と簡単に。
朝、起きたら2つのことをしてください。
それで体内時計をリセットできます。
2つの体内時計リセット法とは?
○朝日を浴びる。
同じ時間に朝日を浴びることで視神経を伝わって脳が刺激され、身体が朝を記憶します。
とはいえ、朝はぎりぎりまで寝ていたいというのは多くの人の願いではないでしょうか。
あと5分だけ、もうちょっとだけとといつまで布団のなかでぐずぐずしてしまう。
そんなあなたに便利な目覚ましグッズがあります。
目覚まし音とともに白色の光で朝の目覚めをサポートします。
それが光目覚ましinti4
この目覚ましマシンは様々なテレビ番組や雑誌で紹介されています。
体内時計をリセットするのに必要な照度は2500ルクス以上。
光目覚ましinti4は覚醒ブルーライトLEDを搭載、2500ルクス以上の照度で布団に寝ながらにして目覚めとともに体内時計をリセットできます。
○朝食を食べる
同じ時間にちゃんと食べることで胃腸が動き、脳が朝だと認識します。
同じ時間ということを考えると、毎朝決まった時間に起きるということも大切ですね。
朝食については管理栄養士おすすめのメニューがあります。
体内時計に効く朝食は?
朝カレーがおすすめということです。
メジャーリーガーのイチロー選手が食べていることで一時期話題になった朝カレーです。
理想は野菜カレーに半熟玉子をトッピングしたもの。
炭水化物の糖質が身体を目覚めさせ、たんぱく質は体温をあげる働きがあります。
玉子は手軽に良質なたんぱく質をとれるので最適です。
バランスのよい栄養とスパイスで代謝をアップさせ体温を上昇させれば、体内時計も朝になったんだと認識して正常に動くようになるということです。
まとめ
薬の効果を活かすには飲むタイミングが大事です。
そのためには、体内時計が正常に動いていることが大前提になります。
朝、決まった時間に起き朝日を浴びて朝食を食べるという規則ただしい生活をすることで、体内時計はただしく動きます。
しかし、仕事の関係で昼と夜がまったく逆転した生活を送っている人や不規則な生活リズムの人が多くいます。
人の体内時計は、生活に合わせて変化するものなのでしょうか。
昼夜逆転した生活は人の体にどんな影響をおよぼすのか。
体内時計と健康にどんな関係があるのか。
それが解明される日も近いかもしれませんね。