近頃、足がむくむ、痺れるといった症状がありませんか。
もしくは痛みがあったり、かゆくなることはありませんか。
または、突然今まですすれていた蕎麦をすすれなくなってきていませんか。
すすると息が苦しくなる感じがありませんか。
もしこのような症状が表れるようなら、それは単なる足の症状や息切れではないかもしれません。
じつはこれらの症状は、あなたの命をおびやかす怖い病気が引き起こしている可能性があります。
それは、心不全と閉塞性動脈硬化。
それらの症状は命の危険を教えるシグナルかもしれません。
ある男性に実際に起こった症例で説明します。
足がむくむ
足に異常が現れたのは数年前。
靴下を上げようと思って靴下を触ってみたら、足に靴下のゴムの後がくっきりとついていました。
「あれ、足がむくんでんのかな?」と思い、少し気になったのでむくみにいいと言われるショウガ茶を飲んでみたが効き目はありませんでした。
改善することなく、むくみ続ける両足。
足にむくみ始めた頃から、息切れを感じるようになっていました。
特に坂道は息が苦しく、上るのも一苦労。
やがて、新たな症状がでてきました。
蕎麦がすすれない
大好きなお蕎麦が食べられなくなったんです。
どういうこと?
お蕎麦をすすれない。
苦しくて。
さすがにこの状態に不安を感じ、病院へ足を運びました。
診断の結果、分かった病名は心不全でした。
心不全とは、心臓の機能に障害が生じ、血液の流れが悪くなる病気です。
これらの症状と心不全との関係は?
私たちの身体の中では、常に血管と細胞の間で体液が循環し、栄養分が運ばれています。
ところが、心臓の機能が低下し、血の巡りが悪くなると、栄養を運び終えた体液が回収されにくくなり、余分な体液が細胞に溜まってしまいます。
やがて、溜まった体液が血管の外に漏れだし、その結果足がむくんでしまうんです。
私たちの身体には常に重力がかかっているので、体液が下半身にたまりやすく、そのために足にむくみがおこるというわけです。
この男性の心不全の状態はステージCでした。
心不全の分類
ステージA
心臓に異常はなく、症状のない状態。
高血圧・糖尿病、冠動脈などあり。
ステージB
心臓に異常が現れているが症状はない状態。
心機能低下、弁膜症、心筋梗塞などの構造的異常が現れています。
ステージC
心臓に変化あり、症状あり。
心筋梗塞他
ステージD
難治性心不全。
十分な薬物治療を行なっても、安静時でも症状あり。
心不全の原因は何?
様々な原因がありますが、病気の始まりは生活習慣病からです。
なかでも特に多いのが高血圧。
心不全になる人の6割、成人の2人に1人が高血圧と言われています。
高血圧は心不全のステージA。
つまり成人の2人に1人は心不全のステージAと言えます。
ステージCと診断された男性は、心臓が拡大しポンプ機能が低下していました。
診断後、薬物治療などにより無事回復。
大きくなりすぎていた心臓も小さくなり、本来の動きを取り戻しました。
今も薬は服用していますが、普通の生活を送れているということです。
心不全の本当の怖さ
心不全の患者さんは5年生存率といわれるのが大体50%。
実に2人に1人が亡くなっています。
さらに一年以内に亡くなる確率は5分の1です。
急性心不全で、急に苦しくなって病院に運ばれるた患者さんが入院して治療、1年後、元気になって退院したとしても5人に1人は1年以内に他界しています。
そうならないためにはどうしたらいいのか?
早期発見早期治療
大切なことは早い段階で気付いて治療を行なうことです。
心臓の病気は心臓にだけ症状が表れるわけではないということを知りましょう。
足のむくみやしびれ、蕎麦がすすれなくなるのは、ひょっとしたら心臓の病気、命の危険を教えるシグナルかもしれません。
心不全は早期発見&早期治療が大切です。
足のむくみや息切れが気になるようならすぐに病院へ行き、きちんと検査してもらうことが大切です。
そうすれば、病気の進行をかなり遅らせることができます。